DグレSalvia
サルビア
温泉旅行というものに、行くことになった。
アレンと神田、ラビというメンバーで、旅館まで向かう。
アレンは、温泉旅館に初めて入った。
フロントから鍵を受け取った神田は、ラビにひとつ鍵を渡した。
しかし、アレンは鍵を渡されない。
首を傾げるアレンに、神田はさっさとついて来るように促すだけだった。
不安げな声で、アレンは問う。
「……神田、僕の部屋は…?」
答えたのはラビだった。
部屋に向かいながら、ラビはアレンの頭を撫でる。
「彼と同じ部屋で~す」
指で示した方にいるのは神田で、アレンは小さく肩を落とした。
神田は何かとよく怒るので、アレンは少しだけ、彼が苦手だった。
距離が縮まらないのが、もどかしいのかもしれない。
廊下に、般若の面が飾られていた。
純和風な旅館の、雅な客室でアレンは頭を抱えている。
「あれ…?」
浴衣を着る方法が、分からなかった。
華奢な両肩を露にし、しなやかな腿から下を惜しげもなく晒した姿のアレンは、眉を寄せてばかりいる。
脱衣場で格闘するアレンは小さく唇を噛んだ。
「……仕方ないなぁ……」
項垂れながらも向かったのは、神田のいる寝室だった。
明かりも点けずに窓際に座り、夕涼みをしている。
「…神田、すみません……」
おずおずと歩み寄り、アレンは布団の端を踏んだ。
ひんやりと冷たい畳の上には、2組の寝具が揃えられている。
その距離が、やけに近い。
どきりとしながらも、窓の向こう側を眺める神田のもとへ、足を踏み出した。
乱雑に結ばれた帯の端を握り、アレンはか細い声を出す。
その姿に、神田が振り向いた。
「……」
一瞬動きを止め、次いで顎を引く。
神田の反応に気付きもせず、アレンは俯き加減で佇んでいた。
「あの…これって、どうやって着るんですか……?」
濃紺の浴衣に、アレンの白い肌は映えた。
艶かしいほどの白に、神田は息を呑む。
手が届く程の距離にいるアレンの手は、所在なさそうに帯を弄っていた。その手を、神田は掴んだ。
「え……あっ!」
手荒に布団の上に押し倒されたアレンは、言葉を失う。
恐怖で全てが凍てついた。
暫く動くことも考えることもできないままのアレンを、神田は我が物顔で蹂躙していく。
着ているとは言いがたい浴衣を剥ぎ取り、肌の感触を掌で確かめた。
「っ……ぃやっ…!」
ようやく動けるようになったのは、神田の手がある一点に触れたときだった。
ひたすらに敏感な場所を、神田は当然のように攻めてくる。
次第にアレンの唇からは、甘い嬌声が零れるようになっていた。
「…っ…んん……あ、ぁ…」
透き通る白磁のような肌に、欲情した。
男の前で無防備な様を晒すアレンに、誰に対してもそうなのかと、怒りにも似た嫉妬心が湧き上がった。
自分のものにしてしまおうと、思わずにはいられなかった。
たとえ、アレンが嫌がろうとも。
「あ…や、だっ……あぅ、ん……ふ…」
長い黒髪を掴み、アレンは涙を零した。
その姿でさえ、熱を煽る。
長い指で花芯を掴み、何度も扱いた。
その都度上がる甘い悲鳴に、神田の脳もじんわり痺れていく。
淫らに開かれた両足は、快楽を逃そうとしてかシーツを掻いた。
愛らしい顔が歪む。
愉悦の波に翻弄され、アレンは神田にしがみついた。
「…あぁっ…も、もう……やぁっ…!」
自分を見失いそうなほどの快楽。
零れる涙は意味を成さない。
「助…け……神田ぁ……」
必死の懇願を無視した神田は、何度も弄られ涎を垂らす花芯から精液を絡め取った。
十分指に絡め、それを秘所に押し当てる。
アレンの背筋がしなった。
「んあぁっ…!」
誰にも触れさせた事のない場所に、神田が触れている。
更に内側をかき回され、アレンの意識は数度途切れた。
これから何をされるのかが分かる以上、アレンも必死になってくる。
「いやっ…離し……離してぇっ…」
無理矢理体を捻ったアレンは、うつ伏せになる形で布団の上を這った。
腰が砕けて、上手く前に進めない。
すぐに腰を抱かれ、ひきずり戻されてしまう。
「…やだぁ…」
高く上げられた腰に、神田の腰も触れる。
指が引き抜かれたそこに熱いものをあてがわれた。
喉の奥が引きつる。
恐怖に動けない。
「いや…いや……神田…っんぅっ…!」
こじ開けられる苦痛に、涙はより一層流れた。
息を詰めると、痛くて仕方ない。
「っ…ふ、あぁ……んっ……」
最後まで納めた神田は、前触れもなく身体を揺らした。
熱く大きなものが、内側をぐちゃぐちゃにしていく。
「やめてっ…あ、あぁぁっ……やあぁっ…!」
首を振っての哀願も露と消えた。
どうしてこんなことになったのか、判らなかった。
ひそかに彼のことを慕っていた。
それなのに、この仕打ちは何だろう。
何も、怨まれるようなことはしていないはずなのに。
「…お願っ……神…ぅあっ…あ……」
アレンの花芯は、どれ程悲しんでも刺激には従順だった。
ピンと勃ち上がり、蜜を溢れさせている。
瞼の裏が白くなった。
神田の動きが激しさを増す。
次の瞬間、
「ん…あ、あっ…いやっ…いやあああぁぁぁっ!!」
意識を手放した。
気を取り戻すと、神田は再びアレンを犯した。
朝まで一度も、休ませてもらえなかった。
ぼろぼろになった身体、血を流す秘所。
乱れた髪は汗と涙に湿り、瞳は虚ろだった。
泣き腫らした顔は紅い。
「……」
早朝の光の中、アレンは隣で眠る神田の存在を感じつつ、呆然と布団の上にへたり込んでいた。
裸姿のアレンは、白い雪の上に南天の赤い実がちりばめられたような、そんな印象を与えた。
神田の愛撫のあとが、生々しいのだ。
「…っ…」
重く沈み込みそうな身体で、アレンはのろのろと立ち上がった。
くしゃくしゃになった浴衣を、自分なりに着てみる。
やはりどこか滑稽だったが、そのままアレンは荷物を持ち、部屋を後にした。
少しでも、神田から離れたかった。
隣のラビの部屋へ、アレンは裸足で向かう。
扉の前で、座ってしまいそうになる膝を叱咤した。
木製の扉に拳を打ちつけ、何度もインターホンを鳴らす。
それだけの行動で、ふらついた。
「何事っ……アレン?」
血相を変えて飛び出してきたラビの勢いに、アレンは尻餅をついた。
俯いて、目を閉じる。
睡魔が、怒涛の波となって押し寄せてきた。
「アレン?」
「…ラビ…」
薄く開いた瞳に、焔が映る。
「神田を……部屋に入れないで……お願い…」
「アレン…アレンっ!?」
ほっとしてしまった。
これでようやく眠れる。
神田の顔を、暫く見ないですむ。
「アレン、しっかりするさ!」
荷物を抱え、アレンはその場に倒れこんだ。
遠く、ラビの声が響く。
身体がふわりと、宙に浮いた。
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前編終了です。いや~…好きですね~。こういうのも。
ドSが苦手な方も、後編で挽回です。
それでは!
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